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次回来るはずの人が怪我をしたとかで、急に最終回になってしまった赤レンガ。 今回は集英社の雑誌販売部の次長さんという偉い方でした。 ・出版は不況業種の一種である、という話。もともと小規模の業界、貧乏業界だったものが、時流に乗って大きくなってしまっていたのであって、本来はそういうものではない。 ・本宮ひろ志の「国が燃える」事件について。オフレコなのでここに書けないことがすごく残念です。面白すぎる話だった。 ・アメリカのメディアは、メディアとして必要と思う情報を流す。公正中立ではなく、立場を鮮明にする。日本は基本的に中立という立場。この辺の話もどこまで書いていいのかわからないので、割愛。 ・出版における三位一体。出版社、取次、本屋さん。読者という視点は入らない。 ・制度が変わらないうちは、業界再生はまず無理と考えざるをえない。 ・今流行っているものは、わかりやすいから流行っている。みんながわかるから流行る。それってどうなの。 ・ハリポタ倒産をする小さな書店が出てくる可能性。 ・アメリカは書店3大チェーンがあり、小さい書店は自分の趣味で本を集める。それで成り立つ。 ・世界の書店、出版社のコングロマリット化。日本はほとんど関わっていない。最近は、中国が欧米企業に接近。 ・日本のメディアはマンガでもっている。マンガは小説よりもわかりやすいということで、インターナショナルな展開も可能。国も、コンテンツの輸出に積極的に金を出す時代。ただ、日本のマンガは進みすぎていて、理解させるのには時間がかかる。 ・日本の本屋は、アメリカからしたらポルノショップ。それだけアメリカの暴力表現、性表現への規制は厳しい。 ・このまま出版不況が続いても、良質なコミュニケーション、あるいは良質な文化が残ることも考えられる。今は、いい作家でも、常にどこかに短編やなにかを発表していて、筆が荒れてしまう。今、日本で自分で計画を立てて小説を書けるのは、村上春樹、吉本ばなな、高村薫くらい。 最終回にして一番の講義だった。というか、前回と今回だけでよかったんじゃないか。まあ、多分学校側としては就職活動前の人に向けたものと考えていたんだろうけど。でも受講生からの質問も一番まともだったし、こういう話に興味を持つ学生も多いということ。毎回、一番前に座って、毎回真っ先に質問をしていた○島くんが、今回は静かだったのが気にかかる。 知識人、という感じの人だった。小説のことも、最近流行っているマンガのことも理解している。まあ出版で仕事してる人だったら当たり前なんだろうけど。外国のメディアと日本のそれとの違いがわかって面白かった。 出版界が再び盛り上がることと、良質なコミュニケーションを残すことと、どっちが大事なのか。もちろんどっちも、と思ってしまうけれど。
by yusuke.nima
| 2004-12-05 04:55
| 出版・書籍
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